司法試験が教えてくれた、人生に活かせる教訓#3~正解探しより、『現時点最高』で動き出す!~
■合格者から話を聞く意味。
司法試験受験生の多くは、合格者の話を参考に、勉強方法を考えます。
ところが、色んな合格者の勉強方法を聞く内に混乱する人がいます。
例えば、
Aさんはこう言っていたのに、Bさんは違うことを言っていた。
どちらが正しいんですか?ということを、Cさんに質問します。
僕は、1000人合格した人がいるなら、1000通りの『合格するための勉強法』があると思います。
現に合格した以上は、全て正解なんです。
そして、その1000通りの正解はそれぞれ、大きく、あるいは微妙に違います。
知識も、集中力も、環境も、記憶力も、ライフスタイルも違うわけですから、違って当然です。
だから、AさんとBさんの話が違うのは当たり前です。
それにもかかわらず、「正解探し」を続けてしまうと、それだけで時間が過ぎていきます。
「正解が見つかってから行動しよう」という考えだと、行動できません。
僕が思う、「合格者から話を聞く意味」は、2つあります。
① Aというテキストを使うのが正しいのか、Bというテキストを使うのが正しいのかという枝葉末節の話ではなく(それも重要ですが。)、幹、つまり、その合格者がどういうコンセプトで勉強していたかというエッセンスを聞くため。
例えば、「いついつまでに、この科目についてこれくらいの力を付けたかった。だから、このテキストを、こういう風に使った」
「何をやったか」より、「なぜやったか」。
これが、エッセンスです。
エッセンスさえ抽出できたならば、枝葉末節が違っても良いし、もっと合理的な方法だってあるかもしれません。
逆に、エッセンスを理解せず、単に同じテキストを使っても効果が薄いわけです。
そして、何人かの合格者の話を聞くと、ある程度の共通するエッセンスが見つかります。
② 自分に合った勉強法を見つけるため。
正解はないけれど、自分に合いそうな勉強法はあります。
「自分に合いそう」というのは、自分と同時期の知識量、性格、ライフスタイル等を総合的に考えて判断します。
まとめると・・・
唯一絶対の正解は無いという前提で、複数の合格者からエッセンスを聞き出して、自分に合う「現時点最高」の勉強法を確立して、動きだす。
これが大事だと思います。
動き出せば、必ず壁にぶつかります。
それは動いたからこその壁です。
その壁を乗り越えるためにまた合格者に教えを受けたり、自分流にアレンジして進むわけです。
■目標達成でも、同じ原理。
これは、司法試験に限りません。
達成したい目標があるとき、実際その目標を達成した人に話を聞くと、AさんとBさんが違う話をするかもしれません。
だけど、AさんもBさんも正解。
それにもかかわらず、唯一絶対の正解を探し続けるべきではないと思います。
目標達成した人から話を聞く(あるいは本を読む)意味は、先ほどの合格者から話を聞く意味と同じだと思います。
■僕の場合。
例えば僕は、本を出したいです。
本を出した方には、実に様々なパターンがあります。
出版に詳しくない僕ですらそれが分かるのですから、実際はもっと多くのパターンがあるはずです。
企画書をたくさん送って出版につながった方もいれば、ブログを見つけた出版社から依頼が来たという方もいます。
どれが正解ではなく、どれも「本を出す」という意味では正解。
だけど、自分に合いそうな方法はあると思います。
だから僕は、エッセンスを抽出することに集中するとともに、自分に合いそうな現時点で最高の方法を確立して、動き出すことを意識するようにしています。