部下を定時に帰すということ~部下に気付かせてもらったこと~
■ 部下を定時に帰すこと。
これについては、一冊の本が書ける程、大切なことであり、難しいことだと思います。
この問題について、自分の未熟さを痛感させられた出来事があります。
■
4,5年ほど前の話です。
私の部下(“部下“という言葉はあまり好きではないのですが、便宜上使います。)は、事情により16時が定時でした。
しかし、16時を過ぎても帰らない。
それを見た僕は、”16時になったら帰ってね。仕事が間に合わないなら、振ってね”と何度か伝えました。
部下は、“はい、ありがとうございます”とは言うものの、やはり16時には帰りません。
ある日、僕が、“16時過ぎてるし、早く帰ってね”と言いました。
すると部下がこう言いました。
”いつも、帰って良いって言いますけど、帰れるようにするのが上司の仕事なんじゃないですか”
僕は、一瞬カチンと来ましたが、次の瞬間には、確かにその通りで、自分はなんて恥ずかしいことをしていたのだろうと激しく後悔しました。
■ 具体的な行動が伴っていなかった。
僕は、口では色々言っていましたが、部下が16時に帰るための具体的な行動が伴っていませんでした。
僕だって忙しいし、まだまだ僕の仕事のレベルは低いし、気も手も回りません。
だけど、上司である以上、それは言い訳になりません。
上司は、部下の仕事を調整する事も含めて仕事であり、その分の給料をもらっているはずです。
それが、部下に対して、”俺も忙しいから、あなたはあなたで頑張ってくれ“というレベルではいけないと痛感させられました。
結局僕が、”帰っていいよ“と言っていたのは、
”僕は帰っていいって言いましたよ。ちゃんと配慮はしていますよ”
という言い訳、パフォーマンスに過ぎなかったのです。
意図的ではないにせよ、部下のことを考えている振りをしながら、自分の保身しか考えていなかったのです。
その部下は仕事のレベルも意識も高い人だったので、能力が無いから16時に帰れなかったわけではないと思います。
そして、その部下は、かなり我慢をしてくれていたのだと思います。
仮に能力が足りない部下を持ったとしても、上司が何もしなくていいわけではありません。
■ 教訓
口先だけでは何の意味も無い。
口先だけの上司は、信頼を失うばかり。
具体的な行動が伴ってこそ、信頼を得るに値する。
部下も、勇気が要ったと思います。
ここで気づいていなければ、きっと僕は、今も部下から
“あの人、いっつも口だけで、何も行動してないよね”
と思われていたでしょう。
気付かせてくれた部下に、今も感謝しています。
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