今独立しても大丈夫だろうか?~独立を考えたら分析すべき、2つの軸+1~
■僕が独立できなかった理由。
独立を決める何年も前から、独立に関する本(弁護士の独立に関するものではなく一般的な本)は何冊も読みました。
だけど、どの本を読んでもピンときませんでした。
なぜなら僕は、
独立に伴う自由は欲しいけど、独立に伴うリスクを背負う覚悟はない
という、とにかく中途半端な考えを持っていたからです。
つまり、”良いとこ取り”をしようとしていたんです。
なぜそんな中途半端な考えだったかというと、独立シリーズにも書いたとおり、「自分の土俵が見つかっていなかった」ことにあります。
自分がどういう土俵で生きていきたいか分かっていなかったのですから、リスクを背負う覚悟が持てないのは当然。
当時は単に、自由が欲しいだけだったんです。
そんな状態で独立の本を読んでも、ピンとくるはずがありません。
そんな甘ちゃん向けに書かれた本は、ないのです。
■独立論
僕の経験、また、実際に独立した色んな人から聞いた話を総合して、僕なりの独立論を書きます。
まず結論。
独立するかどうか、そして独立するタイミングについて、以下の要素で分析できます。
①「独立したい/したくない」という軸
②「独立できる/できない」という軸
③決断
①・②を図にしたのがこれです。
まさかの手書き、そして、無駄にインスタのフィルターを掛ける。
■①「独立したい/したくない軸」
主観全開の話です。
したいか、したくないか。どれくらいしたいのか。
やりたいことがある、自由になりたい、会社が嫌だ、同僚が嫌だ、給料が安い、労働時間が長い等々、周りから見れば甘かろうがなんだろうが、主観的にどう思うかという話です。
■②「独立できる/できない軸」
ここは客観的です。
要素としては、
・同じような道を通った先人の状況
・独立後の収入見込み
・貯蓄
・能力・実力
・伸びしろ
・人脈
・実績
・やろうとしている仕事の内容
などなど、色んな要素があります。
本人がどれだけ「この事業は絶対お金になる!」と思っていても、客観的にはまず収益化できないだろうという事業なら、それは独立できるという方向には働きません。
予測できない部分はたくさんあるので、完全な客観化は無理です。
しかし、できるだけ客観的に考えるようにします。
主観は、往々にして評価を誤るからです。
●客観的に考えるとは?
机の前でウンウン考えるだけではありません。
必要なリサーチをしたり、人に相談することも大切です。
そして何より、実際にリスクの小さい範囲でやってみるというのが効果的です。
以上の二軸によって、どの領域に居るかが分かります。
同じ領域の中でも、どのポジションに居るかは人それぞれです。
■③決断
どの領域にいても、最後は決断です。
主観的に独立したいし、客観的にも独立できる人でも、実際には独立する人としない人がいます。
■4つの領域。
●第1領域(主観的には独立したいけど、客観的には独立できない)
→この領域の人が「独立する」という決断をすると、失敗する可能性が高い。
独立したいという気持ちは持ちつつ、独立できるだけの準備を続ける。
それによって、第2領域への移行を試みます。
●第2領域(主観的に独立したい、かつ、客観的にも独立できる)
→この領域の人が「独立する」という決断をすると、成功する可能性が高い。
最初から第2領域という人は、まず居ないでしょう。
多くの人は、第1領域から第2領域に来ると思います。
●第3領域(主観的に独立したくない、かつ、客観的にも独立できない)
→この領域の人は、独立したくないので、そもそも独立するという決断をしません。
客観的にも独立できないので、独立しないのは賢明です。
●第4領域(主観的に独立したくないけど、客観的には独立できる)
→この領域の人は、独立すれば成功する可能性があるのに、独立したくない。
心の底から独立したくないのなら良いのですが、過剰な恐れや不安から独立したくないと思っているのなら、もったいない。
■①と②は両輪。
このように、①と②はバランスを失ってはいけません。
特に、独立したいという主観だけで突っ走ってはいけません。
もっと楽しい世界を求めて、あるいは、今の苦痛から逃れるため、「早く独立したい!」と思う方は多いと思います。
しかし、その思いが強すぎると、「独立できる」という結論ありきで、その結論に都合の良い情報ばかり集めてしまったり、客観評価を誤りがちです。
焦って独立すると失敗する原因はここにある気がします。
■決断のポイント。
最後は決断(踏ん切り)です。
どれだけ「独立できるよ」という状態でも、決断は怖いものです。
決断のポイントは、「できるだけ大きな決断にしない」ということです。
独立は大きな決断であることは間違いないですが、一世一代の大勝負にしないことです。
逆に言うと、一世一代の大勝負にしなければならないのなら、それはまだ「独立できる」という客観的評価が足りていないかもしれません。
つまり、独立できるか微妙、あるいは劣勢だからこそ、一世一代の大勝負にしなければならないのです。
理想は、「こういう客観的状況だから、独立してもなんとかなるだろう」と思える状態。
この状態になれれば、一世一代の大勝負ではなく、自然な流れと捉えられるでしょう。
■情報を鵜呑みにしない慎重さ。
一世一代の大勝負を仕掛けて成功する人もいるでしょう。
独立できるかできないかなんて考えずに独立して成功する人もいるでしょう。
成功者が、「当時は何も考えずに飛び出しましたね」と言うこともあるでしょう。
だけど、それは結果的にうまくいったという例であって、鵜呑みは危険です。
反対の例も見るべきです。
■最後に。
僕は、考えて考えて独立したタイプなので、かなり慎重に考えています。
しかし、独立についての考え方は、十人十色。
「頭で考えるな!」と言う人もいれば、石橋叩いて渡るべきだという人もいるでしょう。
ただ、散々独立に関する本を読んできた僕が言えるのは、頭で考えていても妥当な結論はでないということ。
いきなり大きく出るのはお勧めしません。
✔小さく始める。そして、確実に行動を積み重ねる。
✔トライ&エラーを繰り返し、いかなるときも意識と努力を怠らない。
これが、僕の思う、最大の秘訣です。
そうすれば、自然と「独立できる」という客観的評価ができ、かつ、独立するという決断を一世一代の大勝負にしなくて済む日が来ると思っています。
【まとめ】「独立なんてとんでもない!」と思っていた僕が、なぜ独立を決意できたかシリーズ
■今日のトリガークエスチョン
あなたの人生の歯車を回す、トリガー(引き金)となる質問をします。
Q,あなたは、4つの領域のどこにいますか?
第2領域に行きたいとしたら、今からやれることは何ですか?