【書評】「吉田基準」~吉田カバンへの、素朴な疑問から購入~
▼ポーター(PORTER)などで知られる
吉田カバン(株式会社吉田)の現社長
吉田輝幸さんの著書。
吉田カバンは、
今年で81年になるそうです。
購入したきっかけ
この本を購入したのは、
・なぜ吉田カバンは売れ続けるのか?
・なぜセールをやらないのか?
・なぜ広告を出さないのか?
・なぜセレクトショップ等の
コラボが途絶えないのか?
といった素朴な疑問からでした。
▼振り返ると、
リュック、旅行鞄、財布、キーケースなど、
吉田カバン製品は結構買ってきました。
このリュックは傑作ですよね。
僕も持ってました。
このキーケースは、
10年程前に鍵一式と一緒に紛失したままです。
▼この本を読むと、
「吉田カバン、すごい!!」
と思わずにはいられません。
「吉田基準」とは?
本のタイトルでもある「吉田基準」とは、
社内で使っているものではありません。
お付き合いのある職人さんたちを中心に、
私どもの、
モノづくりに対する要求水準の高さを指して、
いつからともなく言われ出したようです。
正真正銘の『MADE IN JAPAN』を貫く。
▼吉田カバンは、
大規模工場での大量生産もせず、
全て日本国内の職人さんの手作業。
アパレル業界では
「最後の縫製を行った場所」で国名を記すことができ、
たとえば途中段階まで中国や東南アジアでつくっても、
最後の工程を日本で行えば日本製と記せます。
でも吉田カバンでは、
最初から最後まで日本国内でしかつくっていません。
「絶対に日本の職人さんを絶やさんでくれ」
という創業者の教えを守っての、
正真正銘のMADE IN JAPAN。
タンカーシリーズは遅咲きのブレイク
▼先ほど上げたリュックは、
街中でもよく見かける「タンカー」というシリーズ。
1983年に発表され、
90年代半ばになってようやくブレイクしたそうです。
▼それから30年以上も売れ続けているのが凄いです。
コラボは20年
▼異業種とのコラボは、
20年に渡って続けているそうです。
▼僕は昨年、
あのスタンスミスとのコラボスニーカーを買いそびれ、
奥歯が割れるほど悔しい思いをしたばかりです。
COLLABORATION ITEM | Stan Smith 23.0cm & POUCH | 吉田カバン | YOSHIDA & CO., LTD.
値引きしない理由
▼吉田カバンが原則値引きしないのは、
定価で買ってくださったお客さまに対して
失礼であること。
(中略)値引きするとブランドイメージも崩れますし、
利益も減ってしまう。
作り手側は誰も幸せになりません。
▼大学生の頃、
他店がセールをする中で
平然と定価で売る吉田カバンに対して悶絶したことを、
昨日のことのように思い出します。
こんな深い理由があったとは、失礼しました。
一針入魂
▼「一針入魂」という言葉は、
創業者の口癖でもあり、社是だそうです。
カバンを100個つくったとしても、
お客さまにとっては、その方が手に取った1個がすべて。
個々を大事にして不良は出さないように1針1針を丁寧に
▼これは、モノづくりに限らず、
全ての仕事や人生に通じる教えだと思います。
▼僕の仕事でもある、
セミナーやコーチングでも同じ。
心に染みる言葉です。
「クラチカ」の由来
吉田カバンを扱う店舗「クラチカ」の由来は、
創業者夫婦の名前「吉蔵」と「千香」だそうです。
「吉蔵」は「きちぞう」とお読みするようですが。
最後に。
ご紹介した以外にも、
職人さん、流通会社さん、社員さんの
インタビューも掲載されていて、
あっという間に読み終わりました。
そして、
吉田カバンが欲しい熱が高まり、
BEAMS40周年別注の鞄を買ってしまいました!
BEAMS(ビームス) - PORTER×BEAMS /40th別注 インディゴ 3WAYバッグ(ショルダーバッグ)|ビームス公式通販[BEAMS Online Shop]
続いてこちらの本も購入。
写真が多くて、見ているだけでも楽しいです。
別冊カドカワ 総力特集 吉田カバン 80th Anniversary.Established in 1935 (カドカワムック) KADOKAWA/角川マガジンズ 2016-03-30 売り上げランキング : 1782
|
モノづくりつながりで、
Casaのムックは興奮しました。
Casa BRUTUS特別編集 長く使いたい暮らしの道具。 (マガジンハウスムック CASA BRUTUS) マガジンハウス マガジンハウス 2016-03-31 売り上げランキング : 2923
|
ちょっと前のものですが、
これも面白かったです。
Discover Japan (ディスカバー・ジャパン) 2015年 01月号 エイ出版社 2014-12-06 売り上げランキング :
|