喋れば喋るほど,良い方向には向かわない。
自分がたくさん喋ることで,相手にとって良い方向に進むということは,あまりありません(講演や授業,あるいは「話をきかせて下さい」と頼んで喋ってもらう場合は全く別物)。
■ たくさん喋ってしまう時は,どういうとき?
例えば・・・
① 説得する時
自分の望む結果を得たいがために,「こうでこうだから,これでいいじゃないですか」と,たくさん理由を並べて,まとめにかかります。
1の発言に対して3つも4つも喋られると,「どうせ聴いてもらえない…」という気持ちにもなります。
② 突っ込まれたくないところがある時
答えにくい質問,知識の無い分野についての質問などを受けると,問題の答えになっていないような周辺の事柄をたくさん喋ることで,それ以上の追求や質問をさせず,引き下がってもらいたいという心理になります。
③ リスク回避したい時
後日「説明を受けてない」と言われないために,ひたすら説明をしてしまいます。
喋れば喋った分だけ理解してくれるなどということは,まず無いと思っています。
④ 相手を変えようとする時
相手は変わりません。
変わらない理由は,そもそも相手は変わらないからです。
なのに,「言い足りないから,説明が足りないから」と勘違いしてしまいます。
「なんぜあの人は変わらないんだ」と憤るのは,違うと思います。
■ ベクトルが自分を向いている
これらの例から分かるように,全て,ベクトルが自分を向いています。
自分の思い通りにしたい。そういう時に,喋りすぎてしまいます。
■ 望む結果は得られるか?
しかし,たくさん喋ったことで望む結果が得られることは,あまりありません。
人は,自分の話を聴いて欲しい生き物です。
それにもかかわらず,①の例のようにたくさん喋られると,それだけで不快になります。
そうなると,「言うとおりにしよう」という心理にはなかなかなりません。
それでも説得が成功することもあります。
しかし,じゃあ相手が満足したかというと,それは全く別問題です。
理路整然と言われて納得せざるを得ず納得した。しかし,気持ちは全然すっきりしない,ということは多々あります。
②や③の例では,それだけで信用を失くすこともあります。
特に②の例では,相手は,質問に答えてもらっていないことは分かっています。
本人はうまく切り抜けられたと思っていても,相手は,「この人に質問しても仕方ないな」と思って引いただけかもしれません。
■ 注意されることは少ない
「あなた喋りすぎですよ」と正面から注意されることは,少ないと思います。
圧倒的に多いのは,「もういいや」と思って離れられてしまうケースです。
だからこそ,自分でバランス感覚を意識せねばならないと思います。
↓この記事を気に入っていただけましたらクリック(投票)お願いします!