【猫との対話#2】「やりたいこと」が見つからない本当の理由。
猫「前回出した宿題はやってみたかい?」
あなた「うん、やってみたんだけど、『やりたい仕事』とかってなかなか出ないね。できるか・できないかで考えちゃダメだと言われても、『でもこの歳じゃなぁ』とか『スキル無いし』とか考えちゃったなぁ。結局、やりたいことが分からなくて、モヤモヤしてるところ。」
猫「やりたいこと探しを続ける人は多いね。」
あなた「絶賛遭難中であります。その手の本も何冊か読んだんだけど、どれも言ってることが違うし、付録のワークをやってもサッパリだよ。結局やりたいことをやれるのは、芸能人、ミュージシャン、スポーツ選手とか、特殊な才能がある人だけなんじゃないかと思ってしまうよ・・・。」
猫「『特殊な才能がないと、やりたいことはやれない。だから今の生活に満足しなきゃ。』そういうもっともらしい理由をつけて諦める人も多いね。」
あなた「僕、それです・・・。」
猫「でも、いくら探しても見つからない理由は、才能の問題じゃないんだよ。見つからない本当の理由は、『やりたいことを探そう』としているからなんだよ。」
あなた「ん?やりたいこと探しちゃダメなの?」
猫「キミが思うやりたいことって、例えばどんなもの?」
あなた「こういう仕事がしたいとか、こういう職業につきたいとか、そういう感じかな。営業は向いてないから企画がいいかな〜とか、モノづくりがいいかな〜とか、飲食店がいいかな〜とかもそうかな。」
猫「そうやって人間は、『何かをすること』、『何かになること』、『何かを達成すること』、『何かを所有すること』を探すよね。」
あなた「え?それ、おかしいのかな?小さいころ、『何になりたい?』って散々聞かれたけどな。」
猫「これには、BeingとDoingという概念を理解する必要があるんだけど、知ってるかい?」
あなた「いや、英検4級までしか取ってないからわからないなぁ。」
猫「英検は関係ないよ。Beingは、『どう在るか』、Doingは『どうやるか/何をやるか』だよ。
Beingは、状態だから、知覚できる形ではない。ひとまず、心構えや信念と思ってもらってもいい。
Doingは、行動、発言、仕事、お金、数字といった形で知覚できるもの。
2つの関係は、Doingは、あくまでもBeingを表現する手段に過ぎない。これは大事だから覚えておいてね。」
あなた「う~ん。難しいなぁ。」
猫「たとえばキミは、毎日どんな気持ちで会社に行っているかい?」
あなた「そうだなぁ。お客さんに少しでも満足してもらいたいと思ってるけど、面倒な仕事を振られたくないとかも思ってるかな。」
猫「それがBeing、在り方だよ。お客さんに満足してもらいたいというBeingがあるから、ちゃんと仕事をしたり、マメに連絡したり、要望を聴いたり、笑顔で接したりするよね?この、Beingを表現するための具体的な行動がDoingだよ。
なぜちゃんと仕事をするか、なぜマメに連絡を取るかというと、お客さんの満足のため。DoingはBeingを表現する手段だよね。」
あなた「なるほど!お客さんに満足してもらいたいというのは、目には見えない、心構えみたいなものだよね。そのBeingを実際に表現する手段がDoingなんだね!」
猫「さらにキミは、『面倒な仕事を振られたくない』とも言っていたね。」
あなた「はい・・・」
猫「面倒な仕事を振られたくないというBeing(在り方)を表現する手段として、仕事を振ってくる上司とは極力話さないようにしたり、やたら忙しい振りをしてるだろ?」
あなた「な、なぜそれを!!」
猫「こんな感じで、誰もが、Beingを持ってるんだよ。自覚していない人は多いけどね。そして、全ての言動(Doing)は、Beingによって方向づけられるんだよ。」
あなた「方向づけられる?」
猫「そう。たとえば、1日を120%生きようとするBeingの人と、できるだけ楽して生きようとするBeingの人は、1日の過ごし方がまるで違うのは分かるだろう?つまり、その人がどんなBeingかによって、その人のDoingが決まるということだよ。」
あなた「そっか。Being次第でDoingが自ずと決まるわけだね!」
猫「Doingは、Beingを表現する手段だからね。Beingは幹、Doingは枝葉だとイメージすると分かりやすい。
幹次第で、そこから生える枝葉は変わるだろう?桜の幹からは桜の枝葉が生える。松の幹からは松の枝葉が生える。桜の幹から松が生えることはないよね。」
あなた「だいぶ分かってきたよ。」
猫「BeingあってこそのDoingなのに、人間は、すぐにDoingで解決しようとするね。例えばキミの同僚に、凄くお客さんから信頼されている人がいるだろう?」
あなた「あぁ、いるね」(遠い目)
猫「キミが、彼の話し方や仕事の仕方を真似ても、同じように信頼を得ることはできないよ」
あなた「やっぱりそうか・・・。一時期真似してみたんだけど、全然だったわ。」
猫「なぜだかわかるかい?」
あなた「Beingが違うからだね。僕は、『いかに楽して信頼を得るか』を考えていたのかもしれない。でも彼は、本当にお客さんのことを考えているんだと思う。同じことをやっても、人によって効果が全然違うのは、Beingの差なんだね。」
猫「いくらでっかいサングラスを掛けても、EXILEや浜崎あゆみになれないのと同じだね。」
あなた「よく知ってるね。でも、Beingってどうやって決まるの?生まれ持ったものなの?」
猫「自分で選ぶんだよ。どんなBeingで生きるかということは、自分で選べる。キミの今のBeingだって、全てキミが選んだものだよ。」
あなた「選んだもの?選んだつもりはないんだけどね。」
猫「そう、多くの人が、選んだ自覚はなくて、反射的に、いつの間にか選んできたものが多いんだよ。キミの、『面倒な仕事を振られたくない』っていうBeingは、面倒な仕事を振られた嫌な経験から、反射的に、いつの間にか選んでしまったものじゃないかい?」
あなた「確かに。反射的という言葉はしっくりくるなぁ。そう考えると、反射的に選んでしまっているBeingってたくさんあるなぁ。
例えば僕は、『仕事は辛いものだ』って思ってるけど、これも上司から言われて『そんなものか』と思って反射的に選んじゃったんだろうなぁ。もし『仕事は楽しいものだ』というBeingを選べたら、Doingも変わるよね。」
猫「変えられるのは自分と未来。変えられないものは他人と過去。だから、今から選び直せばいいだけの話さ。」
あなた「BeingとDoingの概念はだいたい分かったけど、『やりたいことを探しちゃダメ』っていう話は、どうつながるの?」
猫「そうだったね。これまでの話を踏まえて、 『何かをすること』、『何かになること』、『何かを達成すること』、『何かを所有すること』っていうのは、BeingかDoingか分かるかい?」
あなた「Doingだね!ってことは、仕事とかは、Doingだから、Beingを表現する手段に過ぎないってこと?」
猫「そうだよ。キミが選ぶBeingを表現する手段として、どんな仕事をするか、どんな財産を持つか、どんな家庭を作るか、どんな人と付き合うかというDoingが決まるんだよ。」
あなた「なるほど!だから、Beingをまず選ばなきゃいけないわけだね。」
猫「そう。やりたいことが見つからないのは、Doingだけ見て探そうとしているからなんだよ。Beingを選んでないのに、Aという仕事がいいか、Bという仕事がいいかって考えたところで、本当の意味で答えなんて出ないよ。その仕事(Doing)を手段として、どんなBeingで生きたいの?というのが一番大事なんだよ。」
あなた「っていうことは、まずはBeingを選ぶわけだね?」
猫「そう。Beingを決めてないのにDoingを探すのは、行き先が決まってないのに、電車がいいか、飛行機がいいか、徒歩がいいか考えている状態だね。だから、まずはBeingを選ばなければならないんだよ。Beingをしっかり選べれば、自ずとDoingは決まるさ。」
あなた「じゃあさ、そのBeingっていうのは、どんな感じのものなの?」
猫「それは、これから残りの人生で、人や社会に対してどんな影響を与えていく存在で在りたいかっていうBeingだよ。『人生の目的』って言うんだ。」
あなた「それ、めちゃくちゃ興味あります!」
猫「でもそろそろ、プロダクトローンチに向けてのキックオフミーティングがあるから、行かないと。」
あなた「なにそれ」
猫「言ってみたかっただけだよ。本当は、さすがに長文になってきたからそろそろ終わろうと思って。」
あなた「長文?」
猫「こっちの話さ。最後に、今日の学びを自分の言葉にしてくれるかい?」
あなた「よくわからないけど、深く聞かない方が良いと直感で分かるよ。」
猫「素晴らしい。人間にしておくにはもったいない位だよ。」
あなた「今日は、BeingとDoingという概念を学んだ。
誰もがBeingを持っていて、全ての言動は、Beingによって方向づけられる。
だから、Doingで解決しようとしても意味が無いんだね。
そして、Beingは選べるってこと。
やりたいことが見つからないのは、Beingが決まってないのにDoingを探そうとしてるからなんだね。
だから、まずやるべきことは、これから残りの人生で、人や社会に対してどのような影響を与えていく存在で在りたいかっていうBeingを選ぶこと。それが分かれば、自ずと仕事などのDoingは定まってくる!」
猫「素晴らしいまとめだよ。読者も大助かりだね。」
あなた「読者?」
猫「こっちの話だよ。じゃあ、また!」
そう言うと猫は、「え?そんな高い塀でも上れるの!?猫って凄いんだね」と言いたくなるような塀をサッと上って去って行きました。
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