「独立なんてとんでもない!」と思っていた僕が、なぜ独立を決意できたか #1〜現状維持を選択した理由〜
■これから書くこと。
●独立しました
弁護士になって以来丸7年間勤めた法律事務所を退職して、2015年1月5日に独立しました。
今日から何回かに分けて、7年間の変遷と、独立を決意した時の状況について書きます。
●お伝えしたいこと
独立のノウハウを書くわけでもないし、独立を勧めるわけでもありません。
僕がお伝えしたいのは、「意識と努力で人生は好転する」ということ。
●7年間で人生を好転できた。
この7年間で、「意識と努力で人生は好転する」ということに気付き、小さくても行動を始め、人生を好転させることができました。
僕に起こった「好転」は、人から見れば大したこと無いかもしれません。
だけど、過去の自分と比べれば、「好転した!」と言えます。
「好転」とは、人と比べてどうこうという話ではありません。
比べるのは、過去の自分です。
もちろんまだまだ好転させたいと思っています。
●独立=好転ではない
人生を好転させた延長線上に、僕は偶々独立という形があっただけ。
好転した行き先が独立であろうと、何であろうと、そこは重要ではありません。
独立できたことは、たくさんの人のお陰であることは疑う余地もありません。
自分ひとりの力だなんて、微塵も思っていません。
ただ、意識と努力がなければ、たくさんの人の厚意を生かせなかったとは思います。
この先どうなるかは分かりませんが、独立は、現時点ではベストの判断。
ここに記す足跡が、誰かにとってヒントになれば最高です。
■今日書くこと。
「独立」と言うと、なんだか物凄いことだと感じる方もいると思います。
弁護士業界では、一昔前と比べるとハードルは上がっているとは思いますが、独立はまだ一般的なことかなと思います。
それでも僕は、弁護士になって6年間位は、
「独立なんて、とんでもない!!」
と思っていました。
今日は、
「選択しない結果としての現状維持」から「選択した結果としての現状維持」
にシフトした経験を書きます。
このシフトが、その後進む道を方向付けました。
■独立までの経過
概ねこんな感じです。
【1年目~3年目】
目の前の仕事で精一杯
【4年目】←今日はここの話。
・同期が独立する・したという話が出始め、自分のキャリアについて考えた結果、「選択しない結果としての現状維持」から「選択した結果としての現状維持」にシフト。
・「自分の土俵を見つけよう」と意識するようになった。
【5年目】
おぼろげながら、本を書きたい、講演をしたいという夢が芽生えるが、方法論がサッパリ分からない
【6年目〜7年目秋】
・自分をつくる学校に通い、理想と現実の大きなギャップに打ちひしがれる。
・現状でやれることをとにかくやるしかないと改めて決意。
・セミナー主催、ビブリオバトル司会、大学での講演、推薦図書企画、個人コンサル、出版塾に通うなど、自分の将来につながりそうなことを、小さくてもとにかくやった。
【7年目秋】
独立を決意
■「独立なんて、とんでもない!」と思っていた6年間。
弁護士になって数年は、事務所から給与をいただいて仕事をする人が多いです。
4年目頃から、同じ年に弁護士になった方が独立するorした、という話をチラホラ聞くようになりました。
そうなると僕も、独立も含めた「この先のキャリアプラン」を考えざるを得ません。
だけど僕は、
「独立なんて、とんでもない!」
と思っていました。
●理由
主に2つです。
①「自分はこの土俵で生きていくんだ!」というものが見つかっていなかった。
②僕のそれまでの生き方の問題。
僕はそれまで、自分で物事を決める自信がなく、人に頼って生きてきました。
ですから、独立して、自分でやるというのは、「とんでもない」という感じでした。
●土俵って何?
「弁護士になったんだから、弁護士業が土俵じゃないの?」と思うかもしれませんが、どういう分野を強みにするか、どういう風に顧客を獲得するか、どういう仕事のスタイルにするか等、バリエーションは色々あります。
また、弁護士の仕事と別の仕事を掛け合わせる選択肢もあるし、そもそも別の仕事に就くという選択肢もあります。
そういった様々なバリエーションの中で、自分はどういう土俵で生きて行くのか。
これが見つかっていませんでした。
●独立の恐怖
性格的に、そんな状態で独立すれば、どこが土俵か分からぬまま右往左往するであろうことは目に見えていました。
また、「収入を得ること」が第一順位に来てしてしまうと、自分が本当にやりたいこととか、自分らしい人生とか言ってられなくなるだろうということも、目に見えていました。
●不満は、あった。
確かに、現状に対する不満はありました(ただ、それは給与を頂く身である以上当然であり、どこに行っても不満はゼロにはなりません。また、当時の僕は他責人間だったことも、不満の原因でした)。
自由にも憧れました。
●折り合いがついた
色々考えた結果、いや、色々考えるまでもなく、安易に独立して危機的状況になることを考えれば、勤務弁護士(=給与を頂いて働く弁護士。)を続けるメリットの方が圧倒的に勝っていました。
●ここまでのまとめ
・ 自分が勝負したい土俵、勝負すべき土俵が分からなかった
・ とりあえず独立する実力も覚悟もない
・ 現状に不満があっても、勤務弁護士という身分に頼らざるを得なかった
●決意
じゃあ未来への希望を捨てたかというと、そうではありません。
こう考え、勤務弁護士を続けることを選択しました。
「現状に対して不満があるなら、辞めれば良い。
だけど自分の実力と覚悟が足りないから、『辞められない』のだ。
辞める実力も覚悟もないのに、現状に不満を言っても仕方ないじゃないか。
不満があるなら、相応の実力と覚悟を身に付けて、独立して、自分がやりたいようにやれば良い。
それが出来ない今は、現状でやれることを最大限にやるべきだ。
そして、その日々の中で、自分の土俵を見つける努力を続けるべきだ。
だから、今は勤務弁護士を続けるんだ。」
給与を頂く身でありながら不満を言い続けるのは、人の家に勝手に上がって、「部屋が汚いから片付けろ」と文句を言うのと一緒だと思うようになりました。
■最後に。
今日の話を総括すれば、
「独立する実力も覚悟も無かったんですよ」
という格好悪い話なんです。
甘ったれた人だと思われるかもしれません。
四の五の言わず必死で頑張れ、と思われるかもしれません。
だけど、正しい・正しくないではなく、事実なので仕方ありません。
これが僕の性格であり、僕なりの生き方です。
こうして勤務弁護士を続けることに折り合いをつけたわけですが、自分の無力を認めた上で、「選択しない結果としての現状維持」から「選択した結果としての現状維持」にシフトした実感はありました。
そしてそれによって、日々の景色が変わりました。