【弁護士が教える、争わない交渉術#13】相手のタイプ別交渉術~ドラえもん編~
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▼ドラえもんのキャラクターに沿って解説してきたタイプ別交渉術の最後は、”ドラえもんタイプ編”です。
<タイプ分析>
▼ドラえもんタイプのキーワードは、「貢献」。
ドラえもんは、子守用ロボットという設定もあり、「自分よりも人」です。
▼「自分よりも人」なんて現実社会では居ないのでは?と思われるかもしれません。
それが、居るんです。
現実社会で言う「自分よりも人」というのは、「人に貢献することが自分にとっての幸せだ」ということです。
▼そんな仏のような人がいるのかと思われるかもしれませんが、これ、実は誰もが持っているものだと思うんです。
つまり人は、「人に貢献することが自分にとっても幸せ」と感じられるように設定されています。
ただ、それよりも分かりやすい幸せ(のび太のように「楽して結果を得たい」、スネ夫のように「優越感を得たい」、ジャイアンのように「支配したい」)が表に出てしまうので、見えにくいだけ。
現にジャイアンだって、時に体を張って仲間を守ります。
これは、ジャイアンのキーワードである「支配」とは異質です。
自分が体を張って仲間を守ることを幸せだと感じられている瞬間です。
▼100%常に自分より人のために動ける人は滅多に居ないと思いますが、程度の差こそあれ、誰もが「人に貢献することが自分にとっても幸せ」と感じられる部分があるのではないでしょうか。
▼そしてドラえもんは、我欲が薄いだけに、人間が根底に持っている「人に貢献することが自分の幸せだ」という部分が全面に出ているのではないかと思います。
<アプローチ>
▼ドラえもんタイプ全開の人というのは、そうそう居ません。
居るとすれば、いわゆる”成功者”ではないかと思います。
▼ドラえもんタイプから納得を引き出す交渉術を考えてみたとき、「納得を引き出すことが本当に自分の為になるのか?」という疑問が湧きます。
▼つまり、こちらの我欲のためだったり、不純な動機でお願いした場合、仮にその場は願いが叶えられても、中長期的には自分のためになりません。
それは、のび太が、不都合なことがある度にドラえもんを頼り、一向に自分で何とかする力が身につかないのと同じです。
漫画ではドラえもんは「しょうがないなぁ」と毎回お付き合いしてくれますが、現実社会ではそうはいかないでしょう。
▼ですから、真のOKアプローチは、ドラえもんタイプに安易に「なんとかしてもらう」のではなく、「教えを請う」ということではないかと思います。
つまり、安易に交渉しないということです。
他方、どうしても協力が得たい時などは、下手な交渉術は使わず、誠心誠意ぶつかっていくべきではないかと思います。
▼反対にNGアプローチは、我欲や不純な動機のためにドラえもんタイプになんとかしてもらうことだと考えます。
<最後に>
これでキャラクター別は完結です。
交渉術としては、まだまだ続きます!