「欠点を無くせば全員から好かれる」というのは幻想〜あなたのその欠点は、美点〜
全員から好かれるために、欠点を無くそうとする人がいる。
欠点を無くせば、全員から好かれると思っている人がいる。
自分が全員から好かれないのは、欠点があるからだと思っている人がいる。
「全員」と言葉にすると言い過ぎだと思うかもしれませんが、よく考えるとそれに近いことを考えている人はいるのではないでしょうか。
何を隠そう、少し前までの僕がそうでしたし、今もそういう部分が無いとは言いません。
だけど僕は、そもそも全員から好かれることは無理だと思っています。
だから、全員から好かれないのは、欠点があるからではありません。
全員から好かれないのは、そもそも全員から好かれることが無理だからです。
「好きな芸能人」1位の人が、「嫌いな芸能人」上位に入るのと同じです。
他方で、「全員から、好かれても嫌われてもいない人」になることはできるかもしれません。
そのためには、徹底的に欠点を無くして、無個性の人になれば良いのかもしれません。
否、それでも、そんな無個性の人を嫌う人はでてくるでしょう。
だけどそもそも、「全員から、好かれても嫌われてもいない人」になって、幸せでしょうか?
欠点は、裏を返せば美点です。
話すのが苦手という欠点がある人は、人の話を聞くことができるという美点を持っています。
思っていることをうまく整理して言葉にできないという欠点がある人は、ゆっくり言葉を選びながら話ができるという美点を持っています。
せっかちで落ち着きがないという欠点がある人は、猛烈な速度で物事を処理できるという美点を持っています。
おっちょこちょいという欠点がある人は、場を和ませることができるという美点を持っています。
大きな失敗をしたという欠点がある人は、大きな失敗をした人の気持ちが分かるという美点を持っています。
人が何を考えているかいつも気になるという欠点がある人は、人の気持ちを察することができるという美点を持っています。
欠点を無くすということは、美点を無くすということです。
欠点は無いけど、美点も無い。
そういう人に、人は惹かれるでしょうか。
あなたのその欠点を、美点だと評価してくれる人に好かれれば、それは凄く幸せなことではないでしょうか。
それが幸せだと思えたら、欠点を無くそうとするその努力がいかに幸せに逆行する行為か気付くはずです。
そんなことに大切な時間や労力を費やすのではなく、それを美点と自分で認めて、それを美点と認めてくれる人との出会いを、そしてそういう人と過ごす時間を大切にした方が良い。
僕は、そう思います。
「でも、現に周りからは好かれていない」と反発を覚えるかもしれません。
だけどそれは、本当は好かれていることに気付いていないだけかもしれません。
だけどそれは、あなたの欠点を美点と評価してくれるコミュニティに身を置いていないだけかもしれません。
だけどそれは、あなたが自分の欠点を欠点としか思わず、隠しているからかもしれません。
だけど、あなたの欠点を美点と認めてくれる人に出会いたければ、欠点を無くすことに苦心するだけの毎日では足りません。
あの人があなたのことを好きなのは、あなたに欠点がないからではありません。
あなたの美点が好きだからです。