僕が思う、夢の見つけ方#8〜「負けを生かす技術」(為末大さん著)①〜
為末大さんの「負けを生かす技術」。
僕にとって為末さんの本は、突き詰めて突き詰めた、その向こう側の世界を垣間見るもの。
一読しただけではなかなか血肉とはなりませんが、ジワジワと、自分の経験が溜まっていく度に内容を思い出す、不思議な本です。
このブログで、感動体験を思い返すことで、for you経由のfor meの幸せが何かを考えるということを書きました。
これは、人生の棚卸しによって、自分が進むべき方向を発見するという話ですが、為末さんの本に、とてもうなずける記述があります。
一生を貫く仕事について、こう書かれています。
大事なことは、何かしら自分の”文脈”を意識しながら仕事を選んでいくことだと思う。
自分が何に生まれついて、どこに向かっているのかを、憧れや願望だけでなく、ちゃんとストーリーとして眺めてみる。
(中略)
本来自分がどんなストーリーを生きているのかを冷静に見ていかないと、永遠に達成されない夢に向かって苦しむことになるのだ。
(中略)
素直に自分の心に向き合ってみることだ。そして自分の文脈やストーリーを感じてみる。その延長線上にあるものが、もしかするとあこがれとは別の方向にあるものだったとしても、そこに向かうのが正しいことだと認めることが大切になる。
「文脈」「ストーリー」というのはやや抽象的ですが、それは、「生まれてくる前から決まっているもの」みたいな話ではないと思います。
それは、今まで自分が生きてきた中で経験したこと、形作られてきた価値観、適性などを前提に、「それを目指すことが自然なこと」と思えるようなことを言うのではないかと思います。
感動体験を思い出すというのも、自分の文脈やストーリーを感じるための作業だと思っています。
文脈やストーリーを感じて見つかったfor you経由のfor meの夢を追うことが、正に自分の文脈やストーリーに適っているのではないかと思います。