■ 「やるからできる」(久保ひろしさん著)
千葉智之さんの「やる気の大学」で紹介されていた、久保ひろしさんの「やるからできる」。
■ 「やり方」と「あり方」
この本の冒頭に出てくる「やり方」と「あり方」の話は、色々な話に通じる考え方で、とても参考になる視点ですので、ご紹介したいと思います。
行動にフォーカスしたスキルやノウハウを紹介する本やセミナーは、世の中に数えきれないほど存在しています。
しかし、望む結果を手に入れている人は、そんなスキル本やノウハウ本の数ほど増えていません。
それはスキルやノウハウなどの「やり方」ばかりを重要視して、「あり方」の大切さを見過ごしているからなのです。
(中略)
初めに「あり方」があって、次に「やり方」があり、そして結果につながる。
(中略)
「あり方」を私はセルフイメージと定義しています。
セルフイメージとは、その人の考え方や物事の捉え方、価値観、優先順位、願望をひとまとめにしたものです。
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分かりやすい例として挙げられているのが、FC(フランチャイズ・チェーン)。コンビニとかですね。
FCは、ノウハウ、つまり「やり方」を丸ごと提供してくれます。
うまくいく人はどこのFCに加盟してもうまくいく。
だけど、失敗する人はどこのFCに加盟してもうまくいかない。
それは、「やり方」ではなく「あり方」の問題だから。
大切なのは、どのFCに加盟するか(=「やり方」)ではない。
■ 考察
ビジネス書などは先人が成功した「あり方」や「やり方」を書いたものです。
「やり方」重視の本もあります。
しかし、「やり方」ばかり真似しても、効果はあまり無いと思います。
ビジネス書からまず学ぶべきことは、成功者の「あり方」を学ぶことだと思います。
次に、その成功者は、その「あり方」を、どういう「やり方」で実現しているのかを学ぶことだと思います。
「あり方」に唯一の正解はありません。
「あり方」が違う以上、「やり方」が違うのは当然です。
「あり方」が同じでも、「やり方」が違うのも当然です。
「あり方」に目を向けず、こっちの本に書いてある「やり方」とあっちの本に書いてある「やり方」が違うと批評するのは無益だと思います。
■ 昔話
昔話でも、実はこの手の話がよく出てきます。
良いおじいさんがうまく行った方法を、悪いおじいさんが真似をする話、ありますよね。
悪いおじいさんは良いおじいさんのようにうまくいくどころか、痛い目を見るわけです。
悪いおじいさんは、”同じことをやってるのに、なんで自分は良い結果が出ないんだ!”と憤ります。
その答えは、「やり方」は同じでも、「あり方」が全く違うからだと思います。