「なぜあんな言い方をしてしまったのか」の根本的な原因~「人生で一番役に立つ『言い方』」(小林弘幸さん著)
▼感情的な言い方、トゲのある言い方をしてしまって、後悔したことはありませんか?
「体調が優れなかった」
「相手が同じミスをした」
「忙しくて余裕が無かった」
「相手が嫌な言い方をしてきた」
などなど、その時々の言い分はあります。
だけど、冷静になって振り返れば、
「もっと違う言い方できたよな…」
「あんな言い方しなくて良かったよな…」
と後悔することはありませんか?
▼僕はかなりせっかちで感情的なので、このような失敗は数えきれません。
確かに、僕にも言い分はある。
だけど、
「あの言い方しか出来なかったの?」と自問すると、
その答えは常に「No」です。
そう、もっと違う言い方があったんです。
▼2年以上前に順天堂大学医学部教授である小林弘幸さんの
「『ゆっくり動く』と人生が変わる」
を読んで以来、自律神経が乱れると感情的になったりイライラすると知り、自律神経が乱れないように意識してきました。
具体的には、あえてゆっくり動作するとか、深呼吸をするとか、ネガティブな言葉を口にしない・耳に入れない等。
▼ところがつい数日前、ある出来事に対して、周りには誰も居ませんでしたが、一人で感情的な言葉を吐いてしまいました。
もう、感情的になった瞬間から体に毒が回るようにダルくなり、そこから数時間、やる気を失ってしまいました。
その他の場面でも、つい、嫌な言い方、トゲのある言い方をしてしまう時があります。
▼ここで、1ヶ月程前に読んだ
「人生で一番役に立つ『言い方』」(小林弘幸さん著)
を再読し、重要なヒントを得ました。
「言い方」にムラが生じる根本的な原因は、医学的観点から説明が可能です。
「言い方」を左右している正体は、「自律神経」にあるのです。
人は、自律神経のバランスが乱れている時、空気が読めない言い方や相手を傷つける言い方など、いわゆるダメな言い方をしてしまいます。
「言い方」には気をつけているのに、つい失敗してしまうという人は、実は自律神経のバランスが乱れている可能性が高いのです。
逆を言うと、自律神経のバランスを整えれば、言い方で失敗することがなくなり、一瞬で空気を変え、人生を変えるような言い方ができるようになるのです。
「生まれつきの性格」や「そういうタイプだから」と考えてしまうと、自分には良い言い方が出来ないと落ち込んでしまいますが、その原因を医学的に説明できると言われると、なんだかホッとします。
つまり、変えられるものなんですね。
たとえば、「クソッ!」と、怒りに満ちた言い方をしたとします。
すると、怒りの感情を言葉にしたことで、イライラが増幅し、交感神経がとたんに優位になって自律神経のバランスが乱れます。
交感神経が優位で、副交感神経が下がったままでいると、血管が収縮し、血流が悪くなるため、疲れやすくなったり、判断力が鈍ったりします。
その結果、さらにネガティブな言い方をしてしまい、それによって、自律神経のバランスが一層崩れるという悪循環に陥ってしまうのです。
先ほど書いたように、僕が、感情的な言葉を吐いて数時間やる気が出なかったのは、正にこれです。
一般的に、怒りによる自律神経の乱れはだいたい3時間から4時間は持続します。
3~4時間って、大きいですよね。
朝一で乱れたら、午前中は乱れっぱなしということです。
乱れてしまうと更にネガティブな言い方をしてしまうので、一日中自律神経が乱れっぱなしという連鎖になりかねません。
なんだか、いつもイライラして感情的だったり攻撃的な人って、いますよね。
そういう人は、自律神経のバランスが整う間もなく乱れてしまっているのかもしれません。
ですから、根っこの部分、つまり、最初のところで自律神経を乱さない意識が必要ですね。
▼若い頃は、自分や他人の「言い方」によって自律神経が乱れても、すぐさまバランスは調整されるそうです。
しかし、男性は30歳、女性は40歳を境に副交感神経の働きがガクンと落ちるので、放っておくと自律神経のバランスが乱れたままになるそうです。
僕は今33歳ですが、確かに、一旦感情的になってしまうと、引きずりやすくなった気がします。
気をつけなければ。
▼本書では、自律神経のバランスの整え方や、人間関係を好転させる「言い方」、メールや交渉の場での「言い方」なども解説されています。
「イライラさせる相手が悪い」ではなく、「イライラしないためにはどうすれば良いか?」を考える材料になります。
過去と自分は変えられない。変えられるのは、未来と自分。