【弁護士が教える、争わない交渉術#19】代替手段を持っている方が、優位に立つ。
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▼交渉を有利に進めるために、必ず抑えておきたいことがあります。
それは、『代替手段を持っておく』ということです。
▼代替手段には2種類あります。
【内容についての代替手段】
この条件で合意できなくても、私は大丈夫ですよ。
そもそも合意できなくても、私は大丈夫ですよ。
【時期についての代替手段】
今合意できなくても、私は大丈夫ですよ。
▼「別に、交渉決裂でも全然良いですよ」という当事者と、「今、交渉成立しないと困ります!」という当事者、どちらが優位かは一目瞭然ですね。
▼代替手段が無いということは、その交渉に依存するということです。
企業で言えば、商品を買ってくれる取引先が30社ある会社と、1社しかない会社だと、一つの交渉に依存する度合いは全然違います。
▼例えば、滅多に手に入らないレア商品があったとします。
・絶対に欲しい!
・今欲しい!
という人がたくさんいれば、売主は価格を上げます。
「レア商品が、今手に入る」という条件と引き換えに、価格面で相手にとって有利な条件でも飲まざるを得ません。
▼代替手段を持たず、崖っぷちの状況で交渉に望むのは危険です。
不利な条件でも飲まなければならなくなりますし、交渉成立しなかった場合には、「あぁ、もうダメだ」と絶望してしまいます。
▼「そうは言っても、代替手段なんて、そうそう持ってないよ」と言いたくなるかもしれません。
▼ところが代替手段というのは、「いつの間にか手の中にあるもの」ではなく、「見つけるもの」であり「創るもの」です。
「これがうまくいかなかったら万事休すだ」と思って交渉に飛び込む前に、代替手段を探し、創り出す。
その上で交渉に臨めば、交渉で優位に立つことができ、場合によっては交渉を決裂させることもできます。
▼たとえ代替手段が無いor乏しい場合でも、それを相手に悟られてはいけません。
積極的に嘘をついてはいけませんが、わざわざ言う必要はありません。
▼「別に、交渉成立しなくても大丈夫ですよ」という余裕は非常に強いカードですし、内心そんな余裕はなくても、余裕のあるフリをすることも、時に大事なことです。
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