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(旧)意識と行動で人生は好転する!

弁護士×プロコーチ×セミナー主催者のパラレルワーカー新井玲央奈のブログ。

【弁護士が教える、争わない交渉術#3】引き出し型に限界を感じた時(読者質問に回答します)。

▼昨日の記事にご質問いただいたので、回答したいと思います。

【弁護士が教える、争わない交渉術#2】納得させてはいけない~争わない交渉術の基本姿勢~

 

【相不boyさんからのご質問】

<質問>

 引き出す型で失敗した→亀裂をできれば生じさせたくない→説得型は避けたいが、引き出す型でこれ以上対処できないならば、説得型以外に方法はないのでしょうか?

 他の人に代わりに仕事を振れれば良いのですが、居ない場合は、説得型で交渉せざるを得ないのかなと思います。

<回答>

▼②引き出す型で相手の納得を引き出せるかどうかは、交渉の状況や交渉術をどれ位使えるかによって変わります。

 

▼ですから、「これ以上対処できない」という限界点の見極めには、絶対的な基準があるわけではありません。

 つまり、交渉術に長けた人なら引き出せるけど、そうでない人なら引き出せないという場面が当然あります。

 

▼対処法としては、簡単に「これ以上は無理だ~」となって説得型に頼ったり、諦めてしまわないようにして下さい。

 今後継続してご紹介する交渉術を身に付けて、ぜひとも納得を引き出せる相手・場面を増やして頂ければ嬉しいです!

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【おんこさんからのご質問】

<質問>

 ②の引き出す型は頼まれごとの提出が3日後になりますよね?

 ①も初めから上司が3日後という条件で話を進めていたらうまくいくことはなかったのでしょうか?

 「明日までに仕上げてほしい」という上司の願いのため、仕事を仕上げる日にちが違ってくるため、フェアじゃなく比較することが難しい感じがしました。

 ②の引き出す型で明日までに仕事を仕上げてもらう交渉術はないのでしょうか?

 <回答>

▼確かに、上司は最初「明日までに」と求めています。

 しかし、②引き出す型では結果的に「3日後までで良い」と言っているので、少し混乱させてしまいました。

 

▼では、②引き出す型で明日までに仕事を仕上げてもらう交渉をしてみましょう。

上司「これ、明日までにやっておいて」

部下「いや、今手一杯なので、厳しいです」

上司「そうか、今急ぎはどんな仕事?」

部下「株式会社○○への見積書作成と、来週の会議資料の作成、それから、来週○☓商事で行う製品プレゼンの資料作成です」

上司「確かにそれは大変だなぁ。プレゼン資料はどれくらい出来てるの?」

部下「7割位です。ただ、ちょっと行き詰まってまして、今日の午後から時間を取って考えるつもりです」

上司「そうなんだ、じゃあ、現段階で僕が一回チェックしてポイントをアドバイスするよ。その方が時間短縮になるんじゃない?その間に、申し訳ないけど、さっき言った仕事、やってもらえないかな?」

部下「それなら明日までにやれそうです。頑張ってみます」

<解説>

▼実際はこんなスムーズには行かないかもしれませんし、このやりとりで突っ込みたくなる部分もあろうかと思います。

 

▼ただ、ここではポイントを抑えて下さい。

 ポイントは、

 (1)納得を引き出すために、丁寧に話を聴いた

 (2)話を聴いた中で、交渉できそうな材料を見つけた

 (3)その材料を使って交渉成立に持っていった

 

▼具体的に当てはめます。

(1)納得を引き出すために、丁寧に話を聴いた

 「そうか、今急ぎはどんな仕事?」

 「プレゼン資料はどれくらい出来てるの?」

(2)話を聴いた中で、交渉できそうな材料を見つけた

 プレゼン資料は7割位できているが行き詰っていて、今日の午後に時間を取って考えるつもりだと判明。

(3)その材料を使って交渉成立に持っていった

 「現段階で僕が一回チェックしてポイントをアドバイスするよ」といって代替案を出した。

 

交渉のセオリーとして、「選択肢を多く持っておく」というのは大切なことです。

 選択肢が少ない交渉は不利です。

 もし上司が、「絶対明日まで!部下の仕事も手伝わない!」という選択肢しかなかったら、その選択肢に固執するあまり、「いいからやれ!」という①説得型に陥りかねません。

 ところが②引き出す型の上司は、「できることがあればサポートする」という選択肢を持って交渉に臨みました。

 

▼人は、他人から何かしてもらった場合に、お返しをしなければならないという感情を抱きます。

 これを返報性の法則と言います。

 部下は、上司から手伝うと申し出てもらったことで、お返しをしなければならないという感情になり、明日までにやると納得しました。

 

▼「上司が手伝っちゃったら意味ないんじゃない?」と思われるかもしれません。

 しかしこの事例では、どっちにしても後日上司はプレゼン資料をチェックすることになります。

 上司としては、中途半端なものがギリギリに提出されてくるより、7割位出来ていて、まだ時間もある現時点で一度チェックすることで、余裕を持って軌道修正ができるわけです。

 つまり上司は、協力しつつ、自分にもメリットがあるわけですね。

 ですから、単に上司が部下の仕事を手伝う(分担する)わけではありません。

 もちろんこれはこの事例に限った条件ではありますが、あなたが出会う事例でも、意識次第で色んな選択肢が見つかるはずです。

 

▼他にも、「大事な取引先で」とか「先方が、こういうのっぴきならない事情で急いでいる」という事情を説明することで、部下の納得度は変わってきます。言い方も大事です。

 

▼昨日ご紹介した、3日後に期限を延ばした上司が交渉巧者だった理由はもう1つあります。

 それは、「期限を延ばす」という選択肢を持って交渉に臨んだことです。

 例えば、

 ・先方は3日程度なら待ってくれるから、先方に待ってもらう

 ・先方には実は最初から「1週間以内にお送りします」と言ってある

といった対策をしていれば、選択肢が増えるわけです。

 ①説得型の上司は、そういう選択肢を持っていないでしょう。

 

▼じゃあ、最初は「明日までに頼む」と言ったのはズルいでしょうか?

 そんなことはありません。

 ②引き出す型の上司は、ベストは「部下が納得した上で明日までに仕上げる」ですが、次の選択肢として「部下が納得した上で3日後までに仕上げる」という選択肢を用意していただけの話。

 何もズルいことはしていません。

 

▼このように、交渉に望む前に色々な選択肢を持っておく、そして、相手の話を聴くことで、どの選択肢を使うか見極めることが大切です。

 

▼参考文献 

▼これまでご紹介した基本事項と記事一覧はこちら。 

争わない交渉術~基本ガイドブック~

 

 

弁護士が教える、争わない交渉術 カテゴリーの記事一覧 - 意識と努力で人生は好転する。