失敗の反対は成功とは限らない~「失敗は成功のもと」に依存しない~
▼前回の振り返りです。
●選択する時に目指すのは、「正解探し」ではありません。
●選択する時に目指すのは、「合理的で適正な判断」、つまり、「あの当時の判断としては、あれがベストだったよね」と言えるような選択をすること。
▼要は、「選択は出来るだけ慎重にしましょう」という話なのですが、
・「成功か失敗かを決めるのは自分自身だ」
・「たとえ失敗でも、それを活かして次のチャレンジをするんだ」
というように、「失敗したって良いじゃないか!」という反論が予想されます。
便宜上これらを、「失敗は成功のもと」と表現します。
▼僕が「合理的で適正な判断をしましょう」と書いたのは、「失敗したらダメです!」という意味ではありません。
▼両者は、場面が違うんです。
●「合理的で適正な判断をしましょう」
→あくまでも選択する時点での話。
つまり、「これからチャレンジするぞ―!」という場面。
●「失敗は成功のもの」
→失敗してしまった時(失敗したように見えた時)の話。
つまり、「チャレンジしたけど失敗だった…」という場面。
両者は、場面が違うのがお分かりいただけると思います。
▼僕はこう思います。
「『失敗は成功のもと』という言葉は、成功しようとしたからこそ意味を持つ言葉だ」
つまり、「合理的で適正な判断をしましょう」という話と、「失敗は成功のもと」という話は、矛盾するものではありません。
両立するもの、否、両輪と言うべきです。
成功しようとして失敗したからこそ、その失敗が成功のもとになると思うんです。
▼なぜそう思うか?
それは、失敗の反対は成功ではないからです。
失敗の反対は別の失敗だったということは山ほどあります。
ですから、闇雲に「失敗は成功のもとだー!」と思ってチャレンジするだけだと、別の失敗をしかねません。
成功しようとして選択(当然選択の前提となる準備)したからこそ、うまくいったこと・いかなかったことが分かるんです。
▼例えば、思いつきで日本料理店をやってみたけどうまくいかなかった。
じゃあ今度はイタリア料理店にすれば成功するなんて、誰も思いませんよね。
日本料理店で成功しようとしてこそ、その失敗は成功のもとになります。
▼失敗についてよく引用されるエジソンの名言があります。
電球を発明するために1万回もの実験を重ね、ようやく電球を作ることに成功したエジソンは、記者から「1万回も失敗したのですか?」と問われました。
これに対してエジソンは、
「失敗ではない。うまくいかない方法を1万通り発見したのだ。」
と答えたそうです。
▼この言葉は、「あのエジソンだって言ってるし!」という具合に、「失敗は成功のもと」を後押しします。
▼だけどよく考えてみましょう。
エジソンは、失敗するつもりで実験をしていたでしょうか?
最初から1万通り以上の選択肢を並べて、「いつか当たるわ」と思って1つずつ試していって、偶々1万回目に当たりを引いたわけではないはずです。
多分、1回目から成功するつもりだったと思うんです。
その意気込みで、回を重ねる度に軌道修正して、電球を発明したはず。
何も考えずに明後日の方向の実験をしていたら、発明には至らなかったでしょう。
▼わざと失敗する人はいません。
だけど、「失敗は成功のもとだから、失敗もまた良し」と考えている人は少なくないと思います。
それはそうなのですが、選択時点では、あくまでも「次で成功させる!」という意識が大事ではないでしょうか。
「失敗するだろうと思ってやっぱり失敗した」では判断力はつきません。
「成功狙いに行ったのに失敗した」という繰り返しで判断力は養われます。
▼今日の話をまとめます。
①選択する時点では、成功するつもりで選択する。
それを可能にするのが、「合理的で適正な判断」です。
②だけど失敗したら、「失敗は成功のもと」と考えて、次に活かします。
③これを繰り返します。
■今日のトリガークエスチョン
あなたの人生の歯車を回す、トリガー(引き金)となる質問をします。
Q,あなたは、選択する時、失敗についてどう考えて選択していますか?
■メッセージ(全力で読ませていただきます)
トリガークエスチョンへの回答、気付き、考えたこと、疑問に思ったこと、感想等々、お送りください。