「独立なんてとんでもない!」と思っていた僕が、なぜ独立を決意できたか #6〜”ゼロ尽くし”のスタート〜
■前回のポイント
自分をつくる学校を卒業した際、
「『すぐに』『大きなこと』をやろうとするのではなく、『小さく始めよう!』」
と決意することができました。
しかし、自分をつくる学校を卒業した2013年5月の段階では、セミナーや講演実績”ゼロ”でした。
その後、2013年6月5日に母校で講演をやったのがスタート。
そして、2014年12月末までの約1年半で、35回のセミナー・講演をやりました。
他にも、大型書店で僕の推薦図書コーナーを設置したり、個人コンサルをしたり、ビブリオバトルの司会をしたり、色々やりました。
※詳細→Works
この数字を言うと「凄いですね」と言ってもらえることもあります。
凄いと思うかどうかは人それぞれですが、「なぜ1年半で35回もやれたか?」の理由を言います。
一番大きな理由は、「好きだから」です。
35回という数字も、プロフィールに載せようと思って数えてみたら気付いた数字。
好きだから、やれるだけやってみた結果、偶々35回だっただけ。
僕は、「大変だ」とか「頑張っている」という感覚はなく、「好きなことをたくさんやらせてもらって有り難い」と思っています。
みなさんも、好きなことだったらいくらでもやれるはず。
■独立までの経過(前回と同じなので読み飛ばしOK)
【1年目~3年目】
目の前の仕事で精一杯
【4年目】
・同期が独立する・したという話が出始め、自分のキャリアについて考えた結果、「選択しない結果としての現状維持」から「選択した結果としての現状維持」にシフト。
・「自分の土俵を見つけよう」と意識するようになった。
・日々の意味付けが変わった。
【5年目】
おぼろげながら、本を書きたい、講演をしたいという夢が芽生えるが、方法論がサッパリ分からない
【6年目〜7年目秋】
・自分をつくる学校に通い、理想と現実の大きなギャップに打ちひしがれる。
・現状でやれることをとにかくやるしかないと改めて決意。
・セミナー主催、ビブリオバトル司会、大学での講演、推薦図書企画、個人コンサル、出版塾に通うなど、自分の将来につながりそうなことを、小さくてもとにかくやった。←今日はココ
【7年目秋】
独立を決意
■まずやったこと。
●”ゼロ”尽くし
「小さく始めよう!」といくら意気込んでも、僕のセミナー等の実績は”ゼロ”。
「僕はこういう話ができます」という説得的なコンテンツも"ゼロ”。
僕がやりたいこと、つまり生き方や考え方をテーマにしたセミナーや講演という観点からは、正に”ゼロ尽くし”でした。
ですから、講師登録サイトなんかに登録しても声が掛からないのは明らか。
また、友人・知人にセミナーなんてやっている人は見当たらないし、一体誰に何をお願いすれば良いか、サッパリでした。
●まずやったこと
「現時点で講演やセミナーをやれる場所はどこだろう?」と考えた結果、僕が大学時代所属した法律サークルの現役学生に、弁護士をテーマにした講演をやらせて欲しいと頼みました。
学生にとっても「弁護士の話を無料で聞ける」というのは取っ付き易いと思ったので、学生の了解も得られ、無事に開催することができました。
■救いの一声。
並行して、僕が悪戦苦闘している様子を見たある方が、「何かやってみませんか?」と声をかけて下さいました。
それが、これまで何度もセミナーをさせていただいている、ヒトマナビカフェのスタッフの方でした。
僕が自分をつくる学校に通う前に悶々としていた時期、唯一足を運んだセミナーが、ヒトマナビカフェのセミナーでした。
その時に、なんとなくFacebookの友だち登録をしたのが、そのスタッフの方でした。
それこそ1年位連絡すら取っていなかったのですが、声を掛けて下さいました。
今思えば、実績も実力もなかった僕に、よく声を掛けてくださったなぁと思います。
誰に何を頼めばセミナーを開催できるかすら分からなかった僕にとっては、正に救いの一声であり、転機となりました。
■苦難の船出。
その方のアドバイスを借りながら、何かやろうという事になり、何度も何度も打ち合わせをしました。
そして、最初は「セミナー」と銘打つ実績はないので、「勉強会」という形で企画が決まり、対外的に参加者募集をしました。
結果、参加者1名。これが現実です。
ちなみに、自分をつくる学校の安藤美冬学長からは、「友人でも仲間でもいいから参加してもらえば良い」とアドバイスをいただいたのですが、友人にも仲間にも秘密でやりました。
失敗する姿を見られたくなかったし、好奇の目で見られるのが怖かったんです。
■発想の転換。
その後、「これはアカン!」と思って、企画内容を必死で考え直しました。
深い森に入っては戻り、入っては戻り。
告知開始直前まで行った企画を直前でストップしたこともあります。
●「やりたいこと」より「やれること」
僕の夢は、弁護士として法律知識を伝えることではなく、生き方や物事の考え方を伝えること。
ですから、法律セミナーというのは、正直、僕のやりたいことではない
(※「嫌だからやりたくない」のではなく、「もっとやりたいテーマがある」という意味で)。
だけど、実力も実績もない僕がいきなり「こうすれば人生はうまくいく!」みたいなことを言っても全く説得力がありません。
そうやって色々考えた結果、僕は当たり前のことに気付きました。
「やりたいこと」と「やれること」は、違う。
本当、当たり前ですよね。当たり前過ぎて笑っちゃう人もいると思います。
ただ、「やりたいことを早くやりたい」という焦る気持ちで、当たり前のことすら見えていなかったという事実は受け止めざるを得ません。
●今必要な事は?
そして、「将来」「やりたいこと」をやるために、当時の僕にとって必要なことは、
「とにかくセミナーや講演をさせてもらえる”場”を頂くこと」
そのためには、「人が集まらなくても良いからやりたいことをやる」という発想ではなく、「場を頂き続けるためには人を集めることが大事。やりたいことは二の次」という発想に切り替えました。
これは説明が難しいのですが、長期的には、「やりたいことをやるべき」と考えています。
だけど、将来やりたいことをやるためには、一時的に「やりたいことは二の次」という時期も必要ではないかと思います。
ここは異論もあると思いますが、「事実僕はそう思った」ということです。
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■やれることはなにか?
そう考えると、僕がやれること、僕が強みにできることは、やはり「弁護士である」ということ。
僕が長く続けてきたのは弁護士という仕事しかないわけですから、それを活かすしかない、と思いました。
※弁護士という肩書がどうとか、そういう次元の話をしたいのではなく、僕という人間を客観的に見た時、それが「売り」になるという意味です。
営業の仕事を長く続けてきた人は「営業に関すること」が強みになる、というのと全く同じ話です。
こうして、あれこれ回り道をして、ようやく自分の中で前向きな割り切りができました。
そして、弁護士であることをまず全面に出し、そこに僕なりの個性を足すというコンテンツを作りました。
それが、「法律知識×物事の考え方」。
「法律知識」だけでは我慢できず、一矢報いたのが「物事の考え方」という部分。
■セミナー開催
ようやく2013年9月に開催したセミナーでは、約10名の方が来てくださいました。会場的には、ほぼ満席です。
この時も、友人や仲間には秘密でやりました。
知っておいて損はない!現役弁護士が教える、身近な法律トラブルに対する法的知識と、トラブルになりにくい考え方。 | Facebook
その第2弾を2013年11月にやり、満員となりました。
【満員御礼☆受付終了】知っておいて損はない!現役弁護士が教える、平穏に生きるための知恵 〜身近な法律トラブルを通して学ぶ、法律知識✕物事の考え方〜 | Facebook
2013年12月には、ずっとやりたかった、「夢」をテーマにしたセミナーを、自分をつくる学校の同期と一緒にやりました。
【満員御礼:受付終了】自由人生塾 日曜学校〜「やりたいこと」を探しに来ませんか?〜 | Facebook
■ここまで総括
こう見ると、参加者が集まらなかったのは最初の勉強会だけで、その後は意外と順調に見えるかもしれません。
確かに、「結果だけ」を見れば恵まれているかもしれません。
ただ、「やってみたら集まりました」なんて軽いものではありません。
テーマづくりは本当に考えまくりました。
なぜなら、背伸びし過ぎたテーマでやって失敗したら、今後信頼を得るのは相当難しいと踏んでいたから。
先ほど上げた大学での講演以外にも、対外セミナーの前に学生向けに無料セミナーもやりましたし、学生との飲み会では、一つ一つテーブルを回って、セミナーの感想を聞いてはメモを取って回りました。学生らしい率直な意見も頂きましたが、言い訳も反論もせず、ただひたすら聞きました。
■綱渡りの日々。
1つセミナーをやることは、物凄いエネルギーが要りました。
参加してくれる人は居るだろうか…と不安で不安で仕方ありませんでした。
綱渡りのような感覚でした。
■悩み
常に頭にあった悩みは、「どう継続するか」。
単発でやるのは比較的簡単ですが、その活動をどう継続するかが問題です。
■やってみて分かったこと。
「どう継続するか」その答えは今もわかりません。
だけど、少しずつでも、やってみる。
面白そうな人と、親しくなってみる
与えられたチャンスには、期待を超えるつもりで臨む。
色んなところで、夢を語る。
面白そうな人が居そうな場所に、行ってみる。
人を、応援する。
こういうことを日々意識して行動していると、不思議と色んな縁やチャンスに巡り会えるようになりました。
昔の僕は、「動く」ということを知識として知っていても、体験としては知りませんでした。
動いてみて良かったと、心底思います。
動いていなかったら、今も僕は、暗闇の中をもがいているでしょう。
さて、次回はいよいよ(ようやく)独立を決意した時期の話です。