■振り返り。
前回書きましたとおり、僕は、司法試験合格を目指すゼミ生に対して、
「合格するだけが幸せじゃない」という言葉は、現に合格を目指して努力する段階で使う言葉ではない
という話をしてきました。
■人生に活かせる教訓。
実はこの考え方は、司法試験に限らず、人生に活かせる教訓だと思います。
「○○だけが全てじゃない」
「○○だけが幸せじゃない」
これは真実です。
真実だからこそ、比較的簡単に自分を納得させられてしまうという罠があります。
ですから、使い方に、注意です。
具体的には、「逃げ」で使う場合と、「攻め」で使う場合があります。
今この道で本気の努力をしない言い訳に使うのが、「逃げ」です。
別の道で本気の努力するために使うのが、「攻め」です。
■「攻め」としての言葉。
一度何かを目指し始めても、途中で迷いが出たり、「これは違うんじゃないか」と思うことがあります。
また、チャレンジしても、結果が出ないことだってあります。
そういう時に、
「諦めずに最後までやり抜く。」
「何度でもチャレンジする。」
というのは、一見格好良い。
だけど、
「本当は、この道はもう目指したくない」
「切り替えて、別の道を進みたい」
と心が言っているのに、「諦めずに最後までやり抜く。」「何度でもチャレンジする。」と鼓舞するのは、本末転倒です。
そういう時こそ、
「○○だけが全てじゃない」
「○○だけが幸せじゃない」
という言葉で一旦視野を広げます。
その上で、別の道で努力する覚悟ができたのならば、それは「逃げ」ではなく「攻め」だと思うんです。
他方、結果が出ないことの言い訳や、努力をしない言い訳に使うのが、「逃げ」です。
■心がよく知っている。
「逃げ」として使っているのか、「攻め」として使っているのか。
これは、自分の心が一番よく知っているのではないでしょうか?
もっともらしい理由をつければ、周りの理解はそれなりに得られます。
だけど、自分の心はよく分かっています。
心の奥では、どう感じているでしょうか。