僕が、ロースクールのゼミ生に必ず伝えていた、「使ってはいけない言葉」。
最近、嬉しい報告がありました。
それは、以前から親交のある大学生から、法科大学院に合格したという報告でした。
僕が法科大学院に合格したのはもう10年前になりますが(!)、当時のことを少し思い出しました。
僕にとって法科大学院に進むということは、目的地に着くかどうかわからない片道切符で電車に乗り込むことに似ています。
法科大学院に進学した時点で、大学卒業と同時に働き始める同級生とは違う線路を走り始めます。
どんなに後悔しても、その分岐点に戻ることはできません。
法科大学院を卒業し、司法試験を受けるという道を突き進んでも、合格するとは限りません。
もちろん、合格しなくてもちゃんと線路は続きます。
途中で進路変更も可能です。
ただ、大学卒業時点に戻ることは絶対に出来ない。
保証のある人生なんて無い訳ですが、それを分かっていてもなお、大変な決断であると思います。
法科大学院合格に向けて猛烈な努力をするでしょうし、プレッシャーもあるし、何より、司法試験合格に向けて必要な一歩ですから、喜ばしいことです。
ただし、法科大学院合格は、スタートラインに立ったどころか、スタジアムにようやく入場したと思うくらいで丁度良いんじゃないかと思います。
それくらいの気持ちで、気を緩めず、更に努力する必要があります。
■ゼミ生に伝えていたこと。
僕は、法科大学院で5年間、課外ゼミを担当していました。
毎年ゼミ生が変わりますが、必ず伝えていた言葉があります。
それは、
「合格するだけが幸せじゃない」
この言葉は真実です。
合格すれば幸せになるとは限らない。
合格しなくても不幸になるとは限らない。
これは真実です。
だけど、今の皆さんは、間違いなく合格を目指している。
その皆さんが「合格するだけが幸せじゃない」という言葉を使う時、それは逃げにしかならない。
「合格するだけが幸せじゃない」という言葉は、合格しなくて、絶望に打ちひしがれている皆さんが立ち上がって、一歩踏み出すときに使う言葉です。
だから今は、「合格するだけが幸せじゃない」という言葉を口にせず、ひたすら努力して下さい。