【書評掲載中】負けを生かす技術(為末大さん)〜「積極的な諦め」で人生を切り拓く。
■書評紹介。
今月も、月刊誌Leafに書評連載中です。
今月のピックアップは、為末大さんの「負けを生かす技術」。
■積極的な諦め。
為末さんの本は何冊か読みました。
偉大な実績を残した為末さんだからこそ語れる、「努力の向こう側の世界」に触れることができます。
為末さんの本と自分の経験がリンクして浮かんだ言葉が、
「積極的な諦め」
という言葉。
この「積極的な諦め」は、ここ1年〜1年半程の僕のテーマでもあります。
■どう違うの?
①普通の「諦め」と②「積極的な諦め」の違いは、
「なぜ諦めるか」
という部分です。
①普通の「諦め」
本当はそれを手に入れたいんだけれど、自分の意志とは無関係の条件で断念せざるを得ない。
つまり、なぜ諦めるかと言えば、諦めざるをえないから。
例えば、試験や面接の結果がこれに当たります。
②「積極的な諦め」
なぜ諦めるかと言えば、ワクワクする毎日を実現するためです。
諦めるという一見ネガティブな決断と、ワクワクする毎日は、矛盾しません。
それは、諦めるという決断自体が、ワクワクする毎日を実現するための手段になっているからです。
■積極的な諦めの例。
例えば、人には個性があり、向き不向きがあります。
「僕はこういう人になりたいんだ!」と思っても、全くキャラクターが違えば、それを手に入れるのは難しい。
難しいのに、「僕はこの方法が良いんだ」と固執してしまうと、うまくいかない可能性が高くなります。
それよりも、自分の強み、持っている原石を磨き続ける方が、きっとうまくいくし、楽しいはずです。
だから、自分に不向きなことは積極的に諦めて、自分に向いた方法でワクワクする毎日を目指します。
積極的な諦めは、あることを諦める代わりに、別のことを努力するということが大前提です。
もう1つ例を挙げます。
僕にとって、「人の夢を応援する」ということが、ワクワクする毎日の1つの要素です。
ただ、一口に「人の夢を応援する」と言っても、色んな形があります。
厳しく指導する人もいれば、褒めて応援する人もいます。
HPを作って応援する人もいれば、人を紹介して応援する人も居ます。
1つの方法にこだわらず、「このやり方では僕は応援できないけれど、このやり方なら得意だ」という方法で行く。
これが、「積極的な諦め」です。
■安易な諦めはしない。
諦めざるをえないところまで頑張り続けるよりも、「こっちのルートの方がワクワクする毎日を送れそうだ」と思えば、積極的に諦めます。
それが、先ほど書いた、「諦めるという決断自体が、ワクワクする毎日を実現するための手段になっている」ということです。
ただし、安易な諦めはいけません。
安易な諦めをせず、積極的な諦めをするには、努力とチャレンジだと思います。