続・「自責」と「他責」〜「自分は悪くない」から抜け出し、成長したい〜
■「自責」と「他責」
前回書きました、「自責の考え方」と「他責の考え方」。
「自責」と「他責」〜他者へのストレスを、自己成長へのエネルギーに転換する考え方〜 - 意識的に生きる。
自責と他責は、ベクトルの向きが全く違います。
自責は、自分を向いています。問題の原因は自分の中にあると考えるからです。
他責は、自分以外を向いています。問題の原因は自分以外にあると考えるからです。
■自責と他責は、着目点の違い。
何か問題が生じた時の原因は、誰かが100%で、他の人は0%ということは稀です。
大概の場合は、「100%自分が悪いわけじゃない。だけど、100%他人が悪いわけじゃない」。
つまり、自分にも原因があるし、自分以外にも原因があると思います。
無論、弁護士をやっていると、理不尽としか言いようがないことも、世の中にはあります。
ですが、ここでお話しているのは、そういう事象ではなく、日常的に出会うような事象のことです。
「自分にも原因があるし、自分以外にも原因がある」。
だからこそ、自責の考え方も、他責の考え方も可能なんです。
結局は、「どこに着目するか」という意識の差です。
大切なのは、犯人探し(誰が原因か探し)ではありません。
大切なのは、成長するには、自責の考え方が必要だということです。
■自責と他責の違い
自責と他責の違いは、日常の至るところで現れます。
例えば仕事で、書類に不備があった、計算間違いがあった、クレームを受けた、認識に行き違いがあった、用意すべきものが足りなかった等々。
プライベートで、友達やパートナーと喧嘩した等々。
◯他責の考え方だと・・・
「自分はちゃんとやってるのに」と反応します。
自分の原因には目を向けず、自分以外にどういう原因があったかを探します。
そして、自分以外に合理的な原因を見つけるのが難しいと見れば、「知らない」「見てない」「聞いてない」「言ってない」と反論します。
◯自責の人の反応・・・
自分のどこに原因があったか考えます。
前提は、「必ず自分にも何らかの原因がある」という視点です。
■自責になると、成長できる。
自責の考え方は、「自分の」原因に着目できるので、「自分が」どういう対策を取れば良いか主体的に考えられます。
そして、改善・改良しようとする行動によって、成長できます。
「自分のここに原因がある」→「じゃあ自分がどうすればいいか」→「成長」という無限のサイクルです。
部下がミスをした時、「なんでちゃんとやらないんだ!俺はちゃんと指示しただろう!」と怒っていては、指示の仕方も変わらないし、ストレスが溜まる一方です。
他責の考え方をすると、他人事になります。
「私は悪くない。変わるべきは他人だ。」そういう発想になってしまいます。
もし問題解決に当たるよう指示されたなら,「私が悪いわけじゃないのに、なんで私がやらなきゃいけないの」となりかねません。
そして、会社が悪い、上司が悪い、とんだとばっちりだと愚痴ります。
■考え方は、癖。
自責か他責かは、生まれ持ったものではなく、「思考の癖」だと思います。
だから、難易はともかく、自責の人が他責の人に転換することも可能であり、逆も然り。
■どうすれば自責癖を身に付けられるか?
それはまず、自分の原因を見つけるんだと「決めること」です。
漠然と「自分の考え方をしよう」ではなく、決めてしまいます。
また、自責と他責を使い分けるわけではありません。
常に、自責です。「今回は自責か他責どっちが良いかな」と迷う必要はありません。
人間ですから、人のせいにしたくなるときはあります。
それでも、反射的に他責になっていた頃と比べれば大きな成長です。
そんな自分も許して、また一歩ずつ進みます。